施設マネジメント


【第5回】 週休3日制についてのQ&A その1
 Q1.週休3日制では、休みが多い分1日の勤務時間が長くなるのでしょうか?

→1日あたりの勤務時間は長くなりますが、1週間あたりの労働時間は変わりません。

 週休3日制は、基本的には「1日の労働時間が10時間で1週間の内4日働き3日休み」というシステムです。これに対し、週休2日制は1日8時間勤務で週5日勤務を基本としますが、どちらの場合も週の合計勤務時間は40時間で一緒です。

 また、週休2日制の場合、時間内に業務が終わらず1日2時間程度の残業をしている事業所も多いのが現状だと思います。すると、1日8時間勤務の週休2日制であっても、残業2時間を加えると実質的な労働時間は1日10時間となります。したがって、1日10時間勤務を基本とする週休3日制を導入したとしても、実質的な労働時間は週休2日制とほぼ変わらず、週の休みが1日多くなります。

 

週休3日制導入施設の声

〈社会福祉法人徳誠会春輝苑〉

 当施設の場合、週休2日制時代の日勤帯は実働8時間でした。週休3日制導入後は、お昼に1時間と夕方に15分の休憩を入れ、実働計9時間45分となっています。

〈大田区の介護施設C〉

 週休2日制では8時間労働(休憩1時間を含めると9時間拘束)でしたが、1時間くらいの残業は当たり前のように行われていました。週休3日制では10時間労働(休憩入れて11時間拘束)となり勤務時間は増えましたが、残業なしで帰れるようになっています。

〈介護老人福祉施設松風〉

 あくまでも一般論をお伝えしますが、雇用条件を変更せずに週休3日制度を導入する場合、一日当たりの労働時間を増やす対応がスタンダードです。

 万が一、それを承諾しないとなると、雇用形態の変更手続きや給与の減額などが生じるのではないかと思います。

 Q2.休みの人が増えると、そのしわ寄せで今より忙しくなりませんか?

→導入施設では日勤帯で3名配置となる時間が増え、
 その分1人当たりの業務負担が減っています。

 その成果は1ユニットの中でどのくらいの職員が週休3日制を選択するのか、その人数によって変わってきます。基本的には、2ユニット(職員をやりくりする協力ユニット)を一つの単位として、その中に週休3日制を選択する職員が8人いれば、無理なく日勤帯での3名配置が可能となります。


週休3日制導入施設の声

〈社会福祉法人徳誠会春輝苑〉

 週休3日制休の導入後も日勤の数は変わっていません。その一方で、日勤帯で勤務時間が重複する職員が増えているため、忙しさが増したということはありません。

〈大田区の介護施設C〉

 夜勤を16時間から10時間へ短縮し、その代わり早番・日勤・遅番を8時間から10時間へと延長しました。現場からは、「早番、日勤、遅番が重なる時間が増え、業務に追われることが無くなったという声が聞こえています。

 その結果、記録やカンファレンスの時間が確保できるようになり、委員会活動への参加も容易になったようです。

〈介護老人福祉施設松風〉

 事業所の対応や戦略判断、人員配置の事情により一概に言えない部分はありますが、週休3日を選択することと引き換えに『職員における仕事のウエイトが重くなる』といった心配をする必要はないと判断します。

 具体的には、一日当たりのシフト本数を変えずに週休3日を導入すれば、一日当たりの働く時間が増え、その分だけ『常勤換算値は上昇』します。つまり、同じ時間内で同じ仕事内容であれば、実質的に仕事が軽くなるといった結果になります。

 また、別の側面では、ケアの質をさらに上げる為のマインド的余裕が生まれることや、今までできなかった事にチャレンジするための時間的余裕が生まれる可能性があります。

 Q3.休みが多くなる分、職員の給料は下がるのではないでしょうか?

→週または月の労働時間が同じであれば、給与が一律で下がるということはありません。

 事業所によって違う場合も有りますが、私共が推奨している週休3日制では、その基本として週の労働時間を40時間に設定しています。これは週休2日制で1日8時間勤務の場合と変わりませんので、給与も同じです。

 なお、各種手当や残業代などについては施設によって運用が異なります。中には、週休3日制の導入に合わせて手当を増額した施設もあります。 

週休3日制導入施設の声

〈社会福祉法人徳誠会春輝苑〉

 1週間の実働は40時間で変わらないので、基本ベースは変わっていません。夜勤などの手当は法人の設定によるところです。

〈大田区の介護施設C〉

 当施設では、週休3日制導入後も給与は変わっていません。夜勤時間が16時間⇒10時間と短くなるため、職員は夜勤手当が下がるのではないかと心配していたようですが、そこは週休2日制の時と同様としています。逆に早番、遅番が拘束される時間が長くなるため、早番手当、遅番手当を2倍にしました。

〈介護老人福祉施設松風〉

 理屈とすれば、総労働時間が変わらない中で給料の減額はないということが大前提です。一方では、雇用形態の変更に伴い労働時間数が減少するような場合には、給与の減額もあり得るでしょう。

 何れにしても、週休2日制から週休3日制への移行が、一律の給与減額を強いるものではありません。

〈事例提供・取材協力〉
※希望により、一部イニシャル表記としております。
介護老人福祉施設 松風 http://www.heisei-kai.jp/
社会福祉法人徳誠会 春輝苑 http://www.syunkien.com/
宇都宮市の介護施設K
大田区の介護施設C