●ユニット型施設の整備と課題
現在、都道府県によってユニット型施設の整備が進められています。

本連載の第1回では、週休2日制によるユニット型の支援について、いくつかの課題をご紹介しました。その中には、「事故のリスクが高まる」「新人指導・教育の難しさ」「入居者本位のケアができない」といったような、「ケアの質」に関連するものが多くありました。
そこで、今回はこの「ケアの質」に着目し、ユニット型施設における週休3日制の導入が入居者(家族)満足度にどのように寄与するのか、週休2日制と比較しながら解説していきたいと思います。
1.業務に余裕ができる
(週休2日制の場合)
・前後の勤務帯と重複する時間が少ないため、1人の業務量が多くなりがち
・入居者本位のケアを提供する余裕を得にくい
・施設のルールで入居者の生活を決めることが多く、一斉一律(流れ作業)のケアになりやすい
・入居前の生活との連続性や継続性が保てなくなり、その環境の変化による生じるリロケーションダメージは認知症に悪影響をもたらすといわれている
(週休3日制の場合)
・休みが多いため、オン・オフの切り替えやリフレッシュがしやすく、ワークライフバランスも保ちやすい
・週休2日制と比べて前後の勤務帯と重複する時間が多く、1人の業務量が少ない
・入居者本位のケアを提供するための時間的余裕が得られる
例)入居前の生活リズムに合わせた生活支援
自己選択、自己決定を尊重した根拠のある支援 …など
【週休3日制導入の成果】


2.新人をフォローしやすい
(週休2日制の場合)
・他の職員と一緒に勤務する機会が少ないため、新人が独り立ちした後は、先輩職員に対してタイムリーに質問をしたり、直接指導を受けたりすることが難しい
→ ケアが自己流になりがちで、介護の質が上がらない要因の一つになっている
(週休3日制の場合)
・独り立ち後も他の職員と一緒に勤務する時間が多いため、OJTでの継続的な指導を受けることができる
→ タイムリーな指導により、新人の不安解消とケアの質向上への効果が期待できる
【週休3日制導入の成果】

3.CS(顧客満足度)とES(職員満足度)が高まる
(週休2日制の場合)
・1人で業務に当たる時間が多いため、入居者への個別対応が難しい
・自立支援や個別ケアにつながる取り組みが実現しにくい
(週休3日制の場合)
・10時間勤務になると、1日の中で入居者と接する時間が増える
・入居者の1日の様子を知ることができる
・業務に余裕があるため、入居者への個別対応が容易になる
例)家族のようななじみの関係づくり
個々の生活歴や性格、嗜好に合わせた対応 …など
・入居者の満足度向上につながる支援ができる
【週休3日制導入の成果】

4.勤務時間内に委員会や会議、研修に参加できる
(週休2日制の場合)
・各勤務帯に職員の余裕がないため、委員会や研修などに出席する機会が得にくい
・残業時間での出席ができる職員は良い方で、その機会さえも得られない職員もいる
(週休3日制の場合)
・夜勤を除く各勤務帯に余裕をもって職員を配置できるため、業務時間内で委員会や研修などに参加が可能
・個別の食事や外出レク、地域との交流なども、勤務時間内に計画、実施することができるため、職員の意欲的が高まる
【週休3日制導入の成果】

さて、今回は週休3日制導入がもたらす3つのメリットとして、②介護の質向上について解説してきました。第一回でお伝えした人材確保・人材定着にもつながる内容が多く含まれており、その効果を広く実感していただけたかと思います。
一方で、介護事業を適切な形で運営するためには、業務の効率化や人件費を適正化も大きな課題となります。そこで次回は、週休3日制を導入することによって③人件費の効率化も図れると言う事をご説明したいと思います。 |