前回は、「下肢を重視したレクリエーション」についてお伝えしました。レクリエーションの時間をうまく使うと、利用者の下肢の状態や動きを自然に見ることができます。ぜひ、取り入れていただききたいと思います。
さて、今回からは具体的なケアや対応を考えていくための参考として、介護フットケアの実践例を紹介していきます。皆様の身近にいる利用者の方々をイメージしながら、「何か応用できることがないか?」という視点で読み進めていただければと思います。
〈事例〉
◯利用者情報
・80歳女性/要介護1/夫と二人暮らし/杖歩行
・在宅にて介護保険を利用中
・訪問介護(身体介護、生活援助、デイサービス週1回利用)
◯利用者の訴え
・穏やかに生活はできているが、最近足のむくみを感じる
・爪切りは夫にやってもらっていたが、最近は夫が細かい作業ができなくなってきたため、
1年くらい切ってもらっていない
・むくみと爪の伸びがとても心配

〈ケアの実施に向けて〉
こういったケースの多くは、そのほとんどが担当ケアマネジャーに相談されると思います。このような時、ケアマネジャーは利用者に対して、次のいずれかを伝えることが多いようです。
① 「デイサービスの看護師さんに入浴後に切ってもらうといいですよ」
② 「皮膚科に行ってみてはいかがですか?」
そして、ケアマネジャーが直接デイサービスにお願いしたり、担当者会議で誰がケアをするのが良いのかを話し合ったり(これが一番良いのですが)しながら、ケアの実施につなげていきます。
〈介護フットケアの課題〉
このように、ケアの実施に向けてケアマネジャーが動いてくれればよいのですが、「『むくみ』や『爪切り』の相談にどう対応したらよいのか分からない」というケアマネジャーの声も多く聞きます。実際、私のところにも、「介護保険の認定は受けているもののサービスは現在使用していない」という利用者のご家族が相談に来たことがあります。担当ケアマネジャーに足の不具合を訴えたところ、「爪切りだけしてくれる介護保険サービスはないので、ご家族で探してください」と言われたそうです。
ご家族が私の活動を知り、電話をいただくまでに半年かかりました。実は、こういったケースは少なくありません。インフォーマルサービスとして介護フットケアが確立されてないことを、強く実感しています。
〈そのままにしない〉
第1回から繰り返しお伝えしていますが、放置が一番怖いです。写真1のように肥厚した爪を放置すると、「踏ん張る」ことができなくなるため、転倒のリスクが高まります。何より、きちんと靴が履けなくなります。さらに、爪が靴下や毛布などに引っ掛かって欠けたり、剝がれてしまったりする場合もありますので注意しなければなりません。
ですので、この連載でもお伝えしたような爪の切り方を参考に、「そのままにしない」を心掛けていただきたいと思います。

次回は、「介護フットケアをケアプランに入れた場合の記録の仕方」を紹介したいと思います。
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